JUGEMテーマ:音楽
スペインで・・・
ギタリストさんや踊り手さんに繰り返し言われました。
羨ましい。って。
なにが羨ましいのか聴いてみると、
”だって、カンテを一番感じるのは歌っている本人でしょ?”
そうですね。
カンテを己が身を持って感じる幸せは、
フラメンコ歌手だけに与えられた特権かもしれません。
カンテを覚えて、
一生懸命正しいメロディを覚えて、
そのメロディを何度も何度も繰り返し歌って、
歌って歌って歌って、、、、、
するとある瞬間、ぐわっと心をわしづかみにされ、
そのままゆっさゆっさと強く強く揺さぶれる感覚に襲われます。
揺さぶられ方は曲によって違うんですけど、
今までの人生で経験したことのない、強烈な感覚。
大きな嵐に巻き込まれたような、
自分の全てが音になったような。
その瞬間が来た時、同時に涙がこぼれます。
カンテによって、
一粒の涙がつーっと流れるときや、
号泣してとめどなく涙が流れおちたり、
嗚咽がいつまでも止まらなかったり、、、。
楽しく明るい曲でも涙はこぼれます。
そのカンテと心の奥で結びついた、
カンテと心が呼応した共振で、
心臓までも震えるので。
はじめてその感覚を味わった日のこと。
今でも昨日のように思い出します。
あれは・・・
ナランヒートに習い始めて1か月がたったころ、
ポロという曲でした。
夜中、何時間も歌い続けた後、
今まで感じたことがなかったような、
大きな全身の揺れを感じたんです。
大量の涙がぼたぼたこぼれて、
それでも歌う事をやめられなかった。
翌朝、
レッスンでそのポロをナランヒートに聴いてもらいました。
私が歌い終わると、
ナランヒートは静かに微笑んで言いました。
”君は今日、はじめてフラメンコを歌ったんだよ。
自分でも感じたよね。”
歌い終わった瞬間、
私の目からは大粒の涙がまたぼとぼと零れ落ちていました。
昨晩出し尽くしたはずの涙が、
まだこんなにも残っていたことに驚きながら、
師匠の目を見て、ただ何度もうなづいた、、あの日。
フラメンコの命、カンテの命はメロディに宿る。
ナランヒートに習った、正確なメロディは、
私自身をも大きく変えてしまったんです。
この感覚を一度でも味わったフラメンコ歌手は、
生涯カンテをやめることは出来ない。
スペインでよく言われていることだけど。
、、、そのとおりです。
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