2014.10.13 Monday
ビエナル記<これにて最終回>
JUGEMテーマ:音楽
ビエナルが終って、セビージャはまたよく雨が降るようになりました。
最終週だけ来ていた生徒は、1回も雨にあわないまま帰国。
きっと日頃の行いがいいんでしょう。ま、本来まじめな人なので。
さて、ビエナル終って1週間、
まとめとして私なりの感想を書きたいと思います。
私はジャーナリストでも、評論家でもありません。
たんなるひとりのアーティストです。
誰かに頼まれてこの文章を書いているわけでもなく、
全ては私自身の率直な気持ち。
そう思って読んで頂ければ幸いです。
☆☆☆
今回のビエナル開催当初、
アーティスト達から運営のまずさに対する文句を多く聞きました。
リハーサルの時間がどうしたとか、
一緒に出演するアーティストと、当日初めて会ったとか。
もちろん、少しでもいいコンサートをしたい彼らの気持ちは、
ごくごく当たり前、もっともな意見です。
でも、全体を通して見ていて、私の感想は一言で言うとこれです。
よく頑張った、そしてちゃんと結果も出せてよかったね。
今回の公演は、全体的にとってもシンプルでストレートでした。
奇をてらったり、なにか無理をしている、そんな感じはほとんどなく、
アーティストが本来持っている力だけで勝負していたように思います。
スペインには、大きな劇場をいっぱいにし、
観客を満足させるだけの力を持ったアーティストがいっぱいいます。
最新の凝った演出や、照明、斬新な衣装など使わなくても、
いえ、使うことによって本人の芸が隠れてしまうよりも、
ただそのままのアーティストを見せさえすれば、観客は満足するのです。
大事なのはその人選。
そして適材適所。
今回、残念にも、私はスペインの最初の師匠
ホセデラトマサの公演のチケットを手に入れられませんでした。
公演が決まったのはずっと前だったのですが、
なかなかチケット発売に至らず、
発売されたと思ったら、翌日には全部売り切れてしまっていたのです。
時差のある日本に住んでいる私には、勝ち目はありません。
なぜそんなことになったのかと言うと、会場が本当にちいさかったんです。
小さいそして歴史のある教会が、今回ホセに用意された舞台。
ホセの声を一番生かす場所、それは教会だという事は、
こちらのフラメンコ関係者ならみんな知っていると思います。
でも、ビエナルの会場として教会というのは、いささか無理があります。
基本的に教会でのコンサートは無料で行われるものですし、
有料の、それもビエナルの公演を行うなどという前例はないでしょう。
今回、セビージャに数ある教会の中でも、
特に歴史があり、美しいことで知られた教会が選ばれ、
あまりにも収容人数が少ないことから、
公演は日曜の昼間、3週にわたって開かれました。
ホセのカンテ、マノロ・フランコのギター、そしてバックにオーケストラ。
この組み合わせで、1回わずか数百枚程度のチケット、1枚2000円代。
売り切れますよ、そりゃ。
でも、後日の評価を見ると、彼にとって最高の舞台になったようです。
マヌエラ・カラスコには大劇場を。
アントニオ・カナーレスには洒落たおじちゃま達の夜を。
往年のアーティスト達にはトリアーナの野外ステージを。
単純に集客力で会場を決めるのではなく、
今までのビエナルでの経験が少しずつ形になって、
今回は実を結んだんだと、私は感じました。
理論の講習会に関しても、
最初のころはなんの為のものかすらわかりにくかったのですが、
今では、対象もはっきりし、内容もわかりやすくなったと思います。
(参加しては、現場で文句を言いまくったかいがありました。
いまでは、参加しても後ろの方でおとなしくしております。)
さて、、、
私は私の事を考える番のようです。
では、ビエナルに関しては、これまでということで、
長々読んでくださって、有難うございます。
そうそう、今回のビエナルで、踊りバックで何度も何度も取り上げられた
セラーナ・リビアーナ。
あまり歌われていないと思ってずっとはずしていたのですが、
ぼちぼちレッスンに組み込んだ方がよさそうですね。
生徒のみなさん、コンパスはシギリージャと同じですから、
もう大丈夫だと思います。
来月からのレッスンをお楽しみに♪