2010.07.26 Monday
やっぱり謎?フラメンコの歌詞(レトラ)
長くカンテファンを続けて来て、CDをいっぱい持っている方から、
必ず質問されるのが、レトラ(歌詞)についてです。
まず、一番よく聞かれるのが、
<カンテの歌詞は、1番2番と意味が繋がってるんですか?>
これですね!!!
答えは<昔は繋がってなかったけど、最近は繋げるのが流行っている>です。
本当は流行というよりも、必要に迫られてなんですけど、
最近は、1曲分全部でひとつの歌詞として作詞されたものが多くなりました。
さて、その理由なんですが・・・
以前は、著作権もうるさくなかったので、
はやっている歌詞をそのままいくつか繋げて歌うのが一般的でした。
そんな中、特に歌詞にこだわる一部のフラメンコ歌手が、
自分で作詞をして、1曲分全部つじつまのあった歌詞で歌っていたんです。
私の師匠達も、時どきそういう歌詞を書いていたそうで、
歌詞を楽しみにしたフラメンコファンに喜ばれていました。
(興味のある方は、師匠のカリスト・サンチェスの
最近の歌詞カード付きのCDを聞いてみて下さい。)
でも、ご存じのように、あのスペインでも昨今著作権にうるさくなり、
他の人の書いた歌詞を勝手に歌ったり、
CDに入れたりする事は許されなくなりました。
そのせいで、フラメンコ歌手は以前のように好きな歌詞は使えなくなり、
ものすごく昔からあると確実にわかっている歌詞を使うか、
新たに、自分もしくは作詞家に頼んで作詞するかしなくなったんです。
そして、この新たに作詞する時に、
どうせならと1曲分まとめて作詞するようになり、
現在の、1曲全部でひとつのストーリーになる歌詞が、
多く作られるようになりました。
日本でも、アマチュアの人が発表会などで歌うのは大丈夫ですが、
プロが人前で歌う場合には、全く同じ問題が生じます。
自分が歌う歌詞を、誰が作詞したのか、著作権はどうなっているのか、
一つ一つちゃんと確認しなくてはいけませんね。